イラストレーター、ミュージシャン中村佑介のオフィシャルブログ または心のおもらし。Twitterは@kazekissaまで。
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降るたび涼しくなるので、雨は秋の足音のよう。秋と言えば読書ということで最近は良く本を読んでいる。自分でも本を出しており、出版社と本屋さんにはたくさんお世話になっているので、きちんと業界にお金が周るように、書籍は意識的にすべて新品で買うようにしているのだが、読者の中にはブックオフや古本市場を利用している人も少なくないだろう。僕も決められたお小遣いでやりくりしていた学生時代には随分利用させてもらったし、今でも読まなくなった本を引き取ってもらうことも時々ある。そしてもうひとつ、絶版している本を探す時だ。
今回手に取ったのはナンシー関:著『何様のつもり』(角川文庫)。 "ナンシー関"という名前を聞いて、「あぁ」という方は僕と同世代か、10年未満年上の方だろう。というのもナンシーさんは、39歳という若さでお亡くなりになったので、主に90年~00年代というピンスポットで活躍していたコラムニストだからだ。若い方でもこの本の表紙にもある芸能人の似顔絵の消しゴムハンコくらいは見たことがあるかもしれないが、ちょうど今のマツコデラックスさんを想像してもらうとわかりやすいと思う。マツコさんはテレビに出てそれを喋っているが、ナンシーさんは雑誌などで文章という形で毒舌芸能批評を続けていた。ちなみにナンシーさんがお亡くなりになる少し前に、お二人はまるでバトンタッチするように雑誌で対談している。
と言っても、今回はナンシーさんでもマツコさんでもなく古本についてのお話である。古本の良さは何も安さだけでなく、ロマンがあるところだろう。本に残っている前の持ち主の家や煙草の匂いも風情があるが、とりわけ僕が好きなのは"ライン"だ。無料通話アプリの話ではなく、有料通話アプリというべき代物。特に学術書などに多く見受けられるが、自分の重要だと感じた文章の横に引かれた蛍光ペンのライン。それはその人の身になったから売ったのだろうか?それとも夢半ばに破れ、その思いを振り切るように売ったのか。まぁどちらにせよ、この『何様のつもり』は芸能人批評コラムなのでラインとは無縁だろうと本を開けて見ると、何と早速引かれていた。しかも重要なのかどうか良くわからない箇所にだ。
例えば"困って意味なく会場にいる緒方拳をうつしたりしていた"や、"ウチのシロのドッグフードをビタワンからペティグリーチャムに変えてみたの"などなど、コラムの中でも特に重要ではない箇所。挙句の果てには"全ページ「だからどうした」の集大成である"という横に引かれたラインこそ、"だからどうした"のだろうか。他にもシンガーソングライターの槇原敬之さんに関する回のコラムで、槇原さんとイメージが似ている当時の歌手として、大事MANブラザーズバンド、沢田知可子さんなどが挙げられ、最後に"あと名前忘れたが『ほっとけないよ』とか歌っている男"と書かれた部分の横にやはりラインがしてあり、横に鉛筆で小さく"KAN"と書かれていた。 そこでようやく理解した。この持ち主、ナンシーさんと会話していたのだ。これまでの意味不明な箇所のラインは、「笑っていいとも!」の"そうですね~"のように、ナンシーさんの文章に対する拍手や笑い声、そして相槌のようなもので、最後の"名前忘れたが~"の部分はクイズコーナーだったのだ。この感覚、どこかで味わったことある…そうだ、ニコニコ動画だ。
元々、ナンシー関さんに最近になって興味を持ったのも、ニコニコ動画に出演されていた精神科医の斎藤環さんが好きになり、斎藤さんも関わっている『ヤンキー文化論序説』(五十嵐太郎:著)でナンシー関さんの話が何度も出て来たのがきっかけである。ちなみにナンシーさんが活躍されていた90~00年代に僕は彼女の存在は知らず、テレビゲームばっかりやっていたので、そのあたりは現在発売中の『ザ・テレビジョンCOLORS vol.2 BLUE』に載っている僕のインタビューを読んでほしいのだが、ナンシーさんが生きていたらこのネット上にある表紙画像から見えるジャニーズ事務所の肖像権に対する徹底的管理姿勢をどう書いただろう。ちなみに書店で並んでいるものは嵐の大野智さんがきちんと写っている。
話を戻そう。ニコニコ動画は元々、岡田斗司夫さんや宮台真司さん、東浩紀さんや村上隆さんなどの討論番組が好きで見始め、その最大の特徴である画面に表示される視聴者コメントは消して見ていたものの、特に岡田さんの番組に顕著だが、コメント込みでひとつの番組になっていることに最近ようやく気付き、もっと好きになったメディアだ。そのコメントに見える"88888"という拍手や突っ込みが、この古本に引かれたラインにとてもよく似ているのだ。しかしひとつだけ言わせてほしい。『ほっとけないよ』を歌っていたのはKANさんとは別人だ。だから僕は、前の持ち主が書いた"KAN"の横にさらに線を引き、"違います。それは楠瀬誠志郎さんです"と注意書きを加え、今はなきナンシーさんを交えた見ず知らずの3人で秋の夜長を楽しもうと思う。
追伸/文中に出て来た『ヤンキー文化論序説』とはこの本です。 タレント・モデルのユージさんのラジオ番組にゲスト出演させて頂いた時の1枚。その模様は明日、8月31日(土)21:00~23:00に放送されるインターFM『TECHNOS COLLEGE Young Blood』にて。11月発売の『中村佑介 2014年カレンダー』や、来年発売予定の2冊目の画集など、重要な告知も兼ねておりますので、関東近辺の方はぜひ、ラジオやradikoでお聞きください。『ヤンキー文化論~』の方はまだ絶版しておりませんので、気になった方は古本ではなく書店にてお買い求め下さい。そこんとこ夜露死苦お願い致します。
今回手に取ったのはナンシー関:著『何様のつもり』(角川文庫)。
と言っても、今回はナンシーさんでもマツコさんでもなく古本についてのお話である。古本の良さは何も安さだけでなく、ロマンがあるところだろう。本に残っている前の持ち主の家や煙草の匂いも風情があるが、とりわけ僕が好きなのは"ライン"だ。無料通話アプリの話ではなく、有料通話アプリというべき代物。特に学術書などに多く見受けられるが、自分の重要だと感じた文章の横に引かれた蛍光ペンのライン。それはその人の身になったから売ったのだろうか?それとも夢半ばに破れ、その思いを振り切るように売ったのか。まぁどちらにせよ、この『何様のつもり』は芸能人批評コラムなのでラインとは無縁だろうと本を開けて見ると、何と早速引かれていた。しかも重要なのかどうか良くわからない箇所にだ。
例えば"困って意味なく会場にいる緒方拳をうつしたりしていた"や、"ウチのシロのドッグフードをビタワンからペティグリーチャムに変えてみたの"などなど、コラムの中でも特に重要ではない箇所。挙句の果てには"全ページ「だからどうした」の集大成である"という横に引かれたラインこそ、"だからどうした"のだろうか。他にもシンガーソングライターの槇原敬之さんに関する回のコラムで、槇原さんとイメージが似ている当時の歌手として、大事MANブラザーズバンド、沢田知可子さんなどが挙げられ、最後に"あと名前忘れたが『ほっとけないよ』とか歌っている男"と書かれた部分の横にやはりラインがしてあり、横に鉛筆で小さく"KAN"と書かれていた。
元々、ナンシー関さんに最近になって興味を持ったのも、ニコニコ動画に出演されていた精神科医の斎藤環さんが好きになり、斎藤さんも関わっている『ヤンキー文化論序説』(五十嵐太郎:著)でナンシー関さんの話が何度も出て来たのがきっかけである。ちなみにナンシーさんが活躍されていた90~00年代に僕は彼女の存在は知らず、テレビゲームばっかりやっていたので、そのあたりは現在発売中の『ザ・テレビジョンCOLORS vol.2 BLUE』に載っている僕のインタビューを読んでほしいのだが、ナンシーさんが生きていたらこのネット上にある表紙画像から見えるジャニーズ事務所の肖像権に対する徹底的管理姿勢をどう書いただろう。ちなみに書店で並んでいるものは嵐の大野智さんがきちんと写っている。
話を戻そう。ニコニコ動画は元々、岡田斗司夫さんや宮台真司さん、東浩紀さんや村上隆さんなどの討論番組が好きで見始め、その最大の特徴である画面に表示される視聴者コメントは消して見ていたものの、特に岡田さんの番組に顕著だが、コメント込みでひとつの番組になっていることに最近ようやく気付き、もっと好きになったメディアだ。そのコメントに見える"88888"という拍手や突っ込みが、この古本に引かれたラインにとてもよく似ているのだ。しかしひとつだけ言わせてほしい。『ほっとけないよ』を歌っていたのはKANさんとは別人だ。だから僕は、前の持ち主が書いた"KAN"の横にさらに線を引き、"違います。それは楠瀬誠志郎さんです"と注意書きを加え、今はなきナンシーさんを交えた見ず知らずの3人で秋の夜長を楽しもうと思う。
追伸/文中に出て来た『ヤンキー文化論序説』とはこの本です。
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by kazekissa
| 2013-08-30 19:05
| 日記
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前記事から間髪入れずに続いて告知コーナー。近々あるイベントと、最近描いたイラストの紹介です。
まずは8月22日(木)の夜19時半より、なんば紅鶴にて、約1年ぶりのトークライブ『中村佑介の本日休業』を開催致します。 講演会の延長戦、または番外編のような内容で、大阪で2年ほど定期的に続いているライブなのですが、今回が最終回となりますので、はじめての方も遠ざかっていた方も、ぜひご来場頂ければ幸いです。詳細は以下になります。
『中村佑介の本日休業~最終回』
【日時】2013年8月22日(木) 19:30開演
【会場】なんば紅鶴(べにつる) 地図はコチラ
大阪府大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F
【出演】中村佑介/B・カシワギ
【入場料】1000円(+1ドリンク別)
※当日券のみで19:00から先着順に入場して頂きます。
そしてその3日後の8月25日(日)には、今度は東京にて、タレントのユージさんがMCを務めるインターFMのラジオ番組『TECHNOS COLLEGE Young Blood』の公開収録にゲスト出演させて頂き、現在閲覧者30組60名を現在募集中です。詳細は以下になります。 【公開収録日】2013年8月25日(日)
【時 間】14:30開場 / 15:00開演
【応募締切】2013年8月23日(金) 19時まで
【会 場】総合学院テクノスカレッジ 地図はコチラ
〒184-8543 東京都小金井市前原町5-1-29
イラストレーターになった経緯や、これまでの作品、また仕事の裏側などなど、おそらくいつもの講演会のような内容をお話しさせて頂くと思いますので、アートに興味のある方、イラストレーターを目指している方、ラジオ好きの方、ユージさんにお会いしたい方などなど、閲覧希望者はお名前・年齢をご記載の上、yb761@interfm.jpまでご応募ください。なお、携帯電話などでドメイン指定で受信を拒否されている方は、"interfm.jp"のドメインを受信できる設定に変更してからご応募をお願いいたします。
また同日25日(日)に大阪OCAでは、サイン会や講演会の司会でもお馴染み、友達のイラストレーター・真理藻ちゃんの初の講演会が開催されます。彼女は元々、コナミでポップンミュージックのイラストを描いていたり、バンド・アーバンギャルドのイラストも手掛けておりますので、そのあたりが好きな方、目指している方はとても良い話が聞けると思います。詳細は以下です。
『イラストレーター真理藻先生特別講義』
【日時】2013年8月25日(日) 13:30~15:00
【会場】大阪コミュニケーションアート専門学校 地図はコチラ
〒550-0014 大阪市西区北堀江2-9-14
【お問い合わせ】フリーダイヤル:0120-121-807
※高校生が対象で、入場は無料ですが事前予約が必要ですので、参加希望者はコチラからお早めにお申し込み下さい。
そして、毎月表紙を描かせて頂いている小学館の文芸誌『きらら』。 まだまだ夏真っただ中ですが、今月20日に出るのは9月号で、芸術の秋ということで、パブロ・ピカソが残した名言をテーマで表紙を描き下ろしました。ピカソ曰く「女の顔はキャンバスだ。毎日女は少しだけ若い自画像をそこに描いている」とのこと。そう考えると女性のすべてが画家であり、男性のすべてが結局は鑑賞者なのかもしれません。秋が来れば、少し涼しくなった"街"という名の美術館を覗いてみるのも良いかもしれませんね。きらら9月号は2013年8月20日(火)、全国の書店にて。試し読み、定期購読のお申し込みはコチラから。
最後に本と言えば、『ブクログ』というサイトに登録しました。これまでイラストレーションやイラストノートの特集号の際、仕事場の背にある本やCDをもっと見たいという声をチラホラ頂きましたので、僕が持っているもの、最近買った物の中からおススメのものを文章を添えて紹介しております。 http://booklog.jp/users/kazekissa
まだレビューが添えていてないものもありますが、現在夜な夜なコツコツと書き増やしておりますので、また定期的にチェックして頂き、なにか新しい出会いのきっかけになれば、これ幸いです。
なお意味深な数字が羅列された今回のブログ記事のタイトルの真相は、20日に書店にて『きらら』表紙を、こちらはブクログではなく、実際の本屋さんでお手に取ってお確かめ下さいませ。以上、宜しくお願い致します。
まずは8月22日(木)の夜19時半より、なんば紅鶴にて、約1年ぶりのトークライブ『中村佑介の本日休業』を開催致します。
『中村佑介の本日休業~最終回』
【日時】2013年8月22日(木) 19:30開演
【会場】なんば紅鶴(べにつる) 地図はコチラ
大阪府大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F
【出演】中村佑介/B・カシワギ
【入場料】1000円(+1ドリンク別)
※当日券のみで19:00から先着順に入場して頂きます。
そしてその3日後の8月25日(日)には、今度は東京にて、タレントのユージさんがMCを務めるインターFMのラジオ番組『TECHNOS COLLEGE Young Blood』の公開収録にゲスト出演させて頂き、現在閲覧者30組60名を現在募集中です。詳細は以下になります。
【時 間】14:30開場 / 15:00開演
【応募締切】2013年8月23日(金) 19時まで
【会 場】総合学院テクノスカレッジ 地図はコチラ
〒184-8543 東京都小金井市前原町5-1-29
イラストレーターになった経緯や、これまでの作品、また仕事の裏側などなど、おそらくいつもの講演会のような内容をお話しさせて頂くと思いますので、アートに興味のある方、イラストレーターを目指している方、ラジオ好きの方、ユージさんにお会いしたい方などなど、閲覧希望者はお名前・年齢をご記載の上、yb761@interfm.jpまでご応募ください。なお、携帯電話などでドメイン指定で受信を拒否されている方は、"interfm.jp"のドメインを受信できる設定に変更してからご応募をお願いいたします。
また同日25日(日)に大阪OCAでは、サイン会や講演会の司会でもお馴染み、友達のイラストレーター・真理藻ちゃんの初の講演会が開催されます。彼女は元々、コナミでポップンミュージックのイラストを描いていたり、バンド・アーバンギャルドのイラストも手掛けておりますので、そのあたりが好きな方、目指している方はとても良い話が聞けると思います。詳細は以下です。
『イラストレーター真理藻先生特別講義』
【日時】2013年8月25日(日) 13:30~15:00
【会場】大阪コミュニケーションアート専門学校 地図はコチラ
〒550-0014 大阪市西区北堀江2-9-14
【お問い合わせ】フリーダイヤル:0120-121-807
※高校生が対象で、入場は無料ですが事前予約が必要ですので、参加希望者はコチラからお早めにお申し込み下さい。
そして、毎月表紙を描かせて頂いている小学館の文芸誌『きらら』。
最後に本と言えば、『ブクログ』というサイトに登録しました。これまでイラストレーションやイラストノートの特集号の際、仕事場の背にある本やCDをもっと見たいという声をチラホラ頂きましたので、僕が持っているもの、最近買った物の中からおススメのものを文章を添えて紹介しております。
まだレビューが添えていてないものもありますが、現在夜な夜なコツコツと書き増やしておりますので、また定期的にチェックして頂き、なにか新しい出会いのきっかけになれば、これ幸いです。
なお意味深な数字が羅列された今回のブログ記事のタイトルの真相は、20日に書店にて『きらら』表紙を、こちらはブクログではなく、実際の本屋さんでお手に取ってお確かめ下さいませ。以上、宜しくお願い致します。
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by kazekissa
| 2013-08-13 08:21
| 日記
夢をあきらめ続ける
いやぁ、暑いですね。日本中が最高気温を記録しておりますが、こちら大阪もどのくらい暑いかと申しますと、僕の仕事机にいらっしゃるホワイトレオ総司令官様の、通常は指で温めないと浮き上がらないはずの胸の紋章が、触ってもいないのに嬉し恥ずかし、いつもクッキリになっている程です。 この人形は1980年代後期にトランスフォーマーの一種として日本で発売された"ビーストフォーマー"というシリーズのフィギュアのひとつで、とある方から先週末に頂きました。
という事で、先週末の土曜日は埼玉の東武ブックスビーンズ戸田公園店でサイン会でした。まずはお越し下さった皆さま、そして東武ブックスビーンズ戸田公園店スタッフの皆さま、本当にどうも有難うございました。 今回のサイン会は東武ブックスビーンズ新店舗開店お祝いイベントの一貫として呼んで下さり、特に何か本を出したタイミングという訳でもなかったので、「人来るんかしら?」と心配でしたが、実に100名近い方が参加して下さいました。不思議に思い、参加の経緯を聞いてみると、1位が東武ブックスビーンズによるチラシやポスターでの告知を見て。2位が新聞広告を見て。そして堂々の第3位が"ブログを見て"、うんうん…え?ブ、ブ、ブ、ブログを見て!?
正直、ブログというツールも最近はTwitterやFacebookなどに取って代わられ、コメントも日に日に少なくなってきたので、てっきりここも誰も見ていないんだろうなと、半ば趣味で更新していましたが、見てたんですね、アナタ。そして今も見てるんですね。こんにちは。どうもありがとうございます。BBSでカキコでキリバンなどは卒業してしまったこんな僕ですが、ブログという長文を書けるツールはまだまだ可能性を感じておりますので、最後の一人になるまで続けていく所存です。これからも宜しくお願い致します。という訳で今日もSNSではブロックされること間違いなしの、いつも通りの長~い文章をお届けしますね(笑)
講演会でも度々言っておりますが、僕は子供の頃から現在に至るまで、絵を描くこと自体にはあまり楽しみを見出せない性格でして、いつもイヤイヤ描いております。それでも何故続けるのかと言うと、それは単に特技であり、そして完成した絵を見た人の楽しそうな表情が見れるから。という理由で、ただそれだけが僕の仕事の楽しみなのです。だからサイン会や講演会などで、いつも絵を見て下さっている方々と接する事は、たぶん参加者にとっては"オマケ"のように感じるかもしれませんが、僕の中では、作品やサインの方が人生のオマケなのです。
例えば今回の埼玉サイン会でも6時間くらいずっとサインし続けているので、「飽きませんか?」や「疲れませんか?」などねぎらいの言葉を頂き、それはそれで嬉しい気遣いだと感じているものの、こちらから見ていると、実にユニークでパワフルな方たちばかりなので、飽きることも、疲れることもなく、いつも「え、もう終わり?」と言った印象でサイン会は幕を下ろします。
今回も、mixiのゆずコミュニティで出会い、それ以来mixiにログインしていないという、実に清いSNS使用法を実行したカップル。生物学を勉強していたけど、もう一度好きだった絵が書きたくて、専門学校に通い直している方。その逆に絵も好きだけど、学者をしている方。セーラー服を着たいけど、自意識が邪魔をして中々切れない20代女性。お姉ちゃんの友人のロシア人女性がホームステイに来てて、連日寝不足な思春期真っ只中の弟さんなどなど、ここには書ききれない程、千差万別の楽しい出会いがありました。
職業においても、やはりイラストレーターのサイン会なので、専門学校生や美大生、デザイナーの方が多いものの、元・警察官や自衛隊の卵である防衛大学校学生さんも。また年齢も、中学生から中学生の子供さんがいる世代の方まで、実に幅広い層の方々が参加して下さいました。
その中でも印象的だったのが、サイン会が終わりそうな時に、駆け込みで来て下さった方。「友達の為に代わりに!」ということでしたので、性別以外は、名前も年齢も職業も国籍もわからなかったのですが、おそらく中国から留学してきている、20代中頃の女性。もしかしたら、韓国や台湾からの方だったのかもしれませんし、日本語もとてもお上手だったのですが、これは日本人では決して浮かばない発想の言葉だなぁと、彼女の台詞が今も頭に残っています。
最初に言った通り、彼女はご友人のプレゼントの為に、画集を買って参加して下さいました。よくよく話を聞いてみると、「私の友人はいま学校の先生をしていているんですが、元々のなりたかったイラストレーターという夢を今も諦め続けているんです!」とのこと。"夢を諦めた"という表現は良く耳にしますが、"夢を諦め続ける"という表現は耳慣れないので、サインを書く手が止まってしまいました。
ですが自分の過去をよくよく思い返してみると、僕もその画集『Blue』を出すまでは、漫画家やキャラクターデザイナーという夢を"諦めた"のではなく、"諦め続けていた"なぁということで、やはり子供の頃から何十年もの歳月で塗り重ねた夢は、例えどんなに強固な砂ケシでも、頭のキャンバスからはそうすんなり消えてくれません。
僕自体はあまり流行り言葉には乗らない人間ですが、日本の中にずっといると、問題なく意味は伝わるので、疑問も持たず、当たり前だと思って日々使ってしまっている言葉というのがあって、こうして海外から来た人の方が、その状況を言葉で適格に表せることもあるのだなぁと思いました。そしてそのご友人の"諦め続けている"という現状を想うと、いても経ってもいられなくなりました。という訳で今回のブログを長々と綴っております。夢に後ろ髪を引かれている時と言うのは、目の前にあるやるべき事や、素敵なことも見落としてしまいがちです。
僕は芸術大学出身なので、周りも色んな夢を持った人がたくさんいました。ですが卒業後、第一志望の企業に入れたものの、結局人間関係がややこしくてリタイヤしてしまったり、はたまた一旦夢は置いといて、とりあえず受かった会社に就職したら、それが楽しくて今も続けてたりと、様々です。そこで感じたのが結局大切なのは人間関係なのだなぁということ。"会社"や"夢"と言っても、結局その先にいるのはどこまで行っても"人間"でしかないので、よくよく考えたら当たり前のことなのですが、それに気付いて、僕もようやく先ほど言った夢を諦め続ける作業は終えて、「イラストレーターとしてやっていこう!」と腹をくくり、出版社(飛鳥新社)に4年ほど待ってもらっていた画集『Blue』をようやく出すことにしました。
よく「最近の絵は昔のものに比べて明るいのは何故ですか?」という質問を受けますが、同じ理由です。もう周りの人はせつない顔してセーラー服着てないので、前を向いている人たちを描いて、夢や過去より素晴らしい今というものを、見逃さずにきちんと伝えていきたいなぁと考えております。結婚したのも同じ理由でした。
そこで最初に紹介したホワイトレオ総司令官のフィギュアに話は戻ります。これは今回のサイン会に参加して下さったBertoia(ベルトイア)というバンドの根岸さんから頂いたもので、少し前、とあるライブイベントの特典用バッジとして描かせてもらったBertoiaの似顔絵を気に入って下さったことから、根岸さんとの交流ははじまりました。左端が根岸さんです。 根岸さんとはFacebook上で、音楽でも、イラストでもなく、いつもビックリマンやフィギュアや映画やゲームなど、趣味の話をしていて、今回はじめてお会いすることになり、「中村さん、好きかなぁと思って…」とカバンの中からゴソゴソと出したホワイトレオの姿を見てビックリ。それは僕が小学生の時になくしたものだったのです。それを拾って届けてくれた、という出来過ぎた話ではないものの、このシリーズはとてもマイナーで、僕の周りの同世代は誰も「そんなんあったっけ?」と言っていたので、もう2度と見ることはないんだろうなぁと思っていたので、本当に驚きと嬉しさでいっぱいになりました。
イラストレーターになっていなかったら、こんな出会いと再会はなかったのかと思うと、なんだか良かったなぁとしみじみさせて頂きました。これからも続けて行って、もっとたくさんの人たちに出会いたいなぁと思いました。相変わらず描くのは死ぬほど面倒くさいけど(笑)
だから彼女の友達も、他に進路や現状に悩んでいた方たちも、どんな道に進むにせよ、いつかそんな風に思える日が来ればいいなぁと思います。また明るい顔で再会出来る日だけを楽しみに、今日も僕は熱い部屋で絵を描こうと思います。最後まで読んで下さった方、どうもありがとうございます。最後にBertoiaのPVでもひとり楽器を弾かずゲームに打ち込んでいる根岸さんの姿をお送りして、失礼致します。
という事で、先週末の土曜日は埼玉の東武ブックスビーンズ戸田公園店でサイン会でした。まずはお越し下さった皆さま、そして東武ブックスビーンズ戸田公園店スタッフの皆さま、本当にどうも有難うございました。
正直、ブログというツールも最近はTwitterやFacebookなどに取って代わられ、コメントも日に日に少なくなってきたので、てっきりここも誰も見ていないんだろうなと、半ば趣味で更新していましたが、見てたんですね、アナタ。そして今も見てるんですね。こんにちは。どうもありがとうございます。BBSでカキコでキリバンなどは卒業してしまったこんな僕ですが、ブログという長文を書けるツールはまだまだ可能性を感じておりますので、最後の一人になるまで続けていく所存です。これからも宜しくお願い致します。という訳で今日もSNSではブロックされること間違いなしの、いつも通りの長~い文章をお届けしますね(笑)
講演会でも度々言っておりますが、僕は子供の頃から現在に至るまで、絵を描くこと自体にはあまり楽しみを見出せない性格でして、いつもイヤイヤ描いております。それでも何故続けるのかと言うと、それは単に特技であり、そして完成した絵を見た人の楽しそうな表情が見れるから。という理由で、ただそれだけが僕の仕事の楽しみなのです。だからサイン会や講演会などで、いつも絵を見て下さっている方々と接する事は、たぶん参加者にとっては"オマケ"のように感じるかもしれませんが、僕の中では、作品やサインの方が人生のオマケなのです。
例えば今回の埼玉サイン会でも6時間くらいずっとサインし続けているので、「飽きませんか?」や「疲れませんか?」などねぎらいの言葉を頂き、それはそれで嬉しい気遣いだと感じているものの、こちらから見ていると、実にユニークでパワフルな方たちばかりなので、飽きることも、疲れることもなく、いつも「え、もう終わり?」と言った印象でサイン会は幕を下ろします。
今回も、mixiのゆずコミュニティで出会い、それ以来mixiにログインしていないという、実に清いSNS使用法を実行したカップル。生物学を勉強していたけど、もう一度好きだった絵が書きたくて、専門学校に通い直している方。その逆に絵も好きだけど、学者をしている方。セーラー服を着たいけど、自意識が邪魔をして中々切れない20代女性。お姉ちゃんの友人のロシア人女性がホームステイに来てて、連日寝不足な思春期真っ只中の弟さんなどなど、ここには書ききれない程、千差万別の楽しい出会いがありました。
職業においても、やはりイラストレーターのサイン会なので、専門学校生や美大生、デザイナーの方が多いものの、元・警察官や自衛隊の卵である防衛大学校学生さんも。また年齢も、中学生から中学生の子供さんがいる世代の方まで、実に幅広い層の方々が参加して下さいました。
その中でも印象的だったのが、サイン会が終わりそうな時に、駆け込みで来て下さった方。「友達の為に代わりに!」ということでしたので、性別以外は、名前も年齢も職業も国籍もわからなかったのですが、おそらく中国から留学してきている、20代中頃の女性。もしかしたら、韓国や台湾からの方だったのかもしれませんし、日本語もとてもお上手だったのですが、これは日本人では決して浮かばない発想の言葉だなぁと、彼女の台詞が今も頭に残っています。
最初に言った通り、彼女はご友人のプレゼントの為に、画集を買って参加して下さいました。よくよく話を聞いてみると、「私の友人はいま学校の先生をしていているんですが、元々のなりたかったイラストレーターという夢を今も諦め続けているんです!」とのこと。"夢を諦めた"という表現は良く耳にしますが、"夢を諦め続ける"という表現は耳慣れないので、サインを書く手が止まってしまいました。
ですが自分の過去をよくよく思い返してみると、僕もその画集『Blue』を出すまでは、漫画家やキャラクターデザイナーという夢を"諦めた"のではなく、"諦め続けていた"なぁということで、やはり子供の頃から何十年もの歳月で塗り重ねた夢は、例えどんなに強固な砂ケシでも、頭のキャンバスからはそうすんなり消えてくれません。
僕自体はあまり流行り言葉には乗らない人間ですが、日本の中にずっといると、問題なく意味は伝わるので、疑問も持たず、当たり前だと思って日々使ってしまっている言葉というのがあって、こうして海外から来た人の方が、その状況を言葉で適格に表せることもあるのだなぁと思いました。そしてそのご友人の"諦め続けている"という現状を想うと、いても経ってもいられなくなりました。という訳で今回のブログを長々と綴っております。夢に後ろ髪を引かれている時と言うのは、目の前にあるやるべき事や、素敵なことも見落としてしまいがちです。
僕は芸術大学出身なので、周りも色んな夢を持った人がたくさんいました。ですが卒業後、第一志望の企業に入れたものの、結局人間関係がややこしくてリタイヤしてしまったり、はたまた一旦夢は置いといて、とりあえず受かった会社に就職したら、それが楽しくて今も続けてたりと、様々です。そこで感じたのが結局大切なのは人間関係なのだなぁということ。"会社"や"夢"と言っても、結局その先にいるのはどこまで行っても"人間"でしかないので、よくよく考えたら当たり前のことなのですが、それに気付いて、僕もようやく先ほど言った夢を諦め続ける作業は終えて、「イラストレーターとしてやっていこう!」と腹をくくり、出版社(飛鳥新社)に4年ほど待ってもらっていた画集『Blue』をようやく出すことにしました。
よく「最近の絵は昔のものに比べて明るいのは何故ですか?」という質問を受けますが、同じ理由です。もう周りの人はせつない顔してセーラー服着てないので、前を向いている人たちを描いて、夢や過去より素晴らしい今というものを、見逃さずにきちんと伝えていきたいなぁと考えております。結婚したのも同じ理由でした。
そこで最初に紹介したホワイトレオ総司令官のフィギュアに話は戻ります。これは今回のサイン会に参加して下さったBertoia(ベルトイア)というバンドの根岸さんから頂いたもので、少し前、とあるライブイベントの特典用バッジとして描かせてもらったBertoiaの似顔絵を気に入って下さったことから、根岸さんとの交流ははじまりました。左端が根岸さんです。
イラストレーターになっていなかったら、こんな出会いと再会はなかったのかと思うと、なんだか良かったなぁとしみじみさせて頂きました。これからも続けて行って、もっとたくさんの人たちに出会いたいなぁと思いました。相変わらず描くのは死ぬほど面倒くさいけど(笑)
だから彼女の友達も、他に進路や現状に悩んでいた方たちも、どんな道に進むにせよ、いつかそんな風に思える日が来ればいいなぁと思います。また明るい顔で再会出来る日だけを楽しみに、今日も僕は熱い部屋で絵を描こうと思います。最後まで読んで下さった方、どうもありがとうございます。最後にBertoiaのPVでもひとり楽器を弾かずゲームに打ち込んでいる根岸さんの姿をお送りして、失礼致します。
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by kazekissa
| 2013-08-13 05:23
| 日記
至高の嗜好に関する思考
現在、MOVIX系映画館で上映している短編アニメ―ションでもご一緒した
ホフディランの小宮山雄飛さんのTV番組『シコウヒンTV』にご出演させて頂きました。 この番組は様々なゲストが全2回に渡りこだわりの品を紹介する10分間のショートプログラムで、
現在、僕の回の前編・後編の2回分が以下で公開中です。
【前編】 http://www.andsmile.tv/m/00580-m450.html
【後編】 http://www.andsmile.tv/m/00582-m450.html ふたつとも、子供時代にはどんな大人になるか想像できなかったものの、
まさかこんなことになろうとは…という、今の自分になるきっかけとなった
シコウヒンを紹介しております。視聴に際しての登録も必要なく無料で、
その劇場短編アニメの一部も見れますので、ぜひご覧くださいませ。 もう少し絵に関する専門的な話が聴きいてみたいという方は
ぜひ、今週末からはじまる講演会ツアーまで足をお運び下さい。
<中村佑介 2013夏 講演会スケジュール>
■7月21日(日)13:00~ ヒューマンアカデミー大阪校
【予約・詳細】http://ha.athuman.com/event/illustrator/nakamura.php
【地図】http://blog.athuman.com/osaka/map.html?code=130282
■7月27日(土)受付12:00~ 東京コミュニケーションアート専門学校
【予約・詳細】http://www.tca.ac.jp/creative/event/sp.html#nakamurayusuke
【地図】http://www.tca.ac.jp/creative/school/access.html
■7月28日(日)13:00~ ヒューマンアカデミー東京校
【予約・詳細】http://ha.athuman.com/event/illustrator/nakamura.php
【地図】http://blog.athuman.com/tokyo/map.html?code=130282
■8月3日(土)13:00~ ヒューマンアカデミー広島校
【予約・詳細】http://ha.athuman.com/event/illustrator/nakamura.php
【地図】http://haa.athuman.com/location/school/hiroshima/guidance/?code=041039
※講演会はいずれも入場無料ですが、事前にご予約が必要となります。
座席数に限りもございますので、お早めに各日程の【予約・詳細】からお申し込み下さい。
さて、こちらも子供の頃には考えられないような嬉しい出来事でした。
17日(水)はさだまさしさんの記念すべき4000回目のコンサートを観る為、
日本武道館まで行ってきました。はじめて訪れた武道館は、夜と雨の影響で、
あの印象的な形はあまり確認できなかったものの、
それでも建物内の窓の形や、壁のしみ、また充満する匂いは
長い長い歴史を語りかけてくるようで、コンサートがはじまる前から恍惚としてしまいました。
一緒に行った飛鳥新社・沼田さんも、デザイナーの前川景介くんも、そして妻も、
みんな初武道館。そんな意味でも足並みを揃えていざ会場の中へ。
今回ジャケットを描かせて頂いたベストアルバム『天晴』も、
元はといえばこの日を記念して作られた1枚なので、
(通常版は3枚、初回限定版はDVDもついているので4枚組ですが)
ジャケットの絵があしらわれたTシャツやクリアファイルなどのグッズもたくさんあって、
その中で一番気に入っているのがこの風呂敷。 どれくらいの大きさかというと、ちょうどお弁当箱を包めるくらいです。包んでみました。 つまりレコード盤のジャケットサイズ=原画とほぼ同じ大きさなので、
いつもCDジャケットになった際に印刷が潰れて見えなかった細部も、
すべてはっきりと見え、嬉し恥ずかしでした。
そしてコンサートがはじまりました。この日は会場だけでなく、
プログラムもスペシャル。なんと500曲以上あるさださんの楽曲の中から、
アンケートを取り、その場でくじびきを引き、曲目と曲順を決めて行くというもの。
譜面も見ずに7年ぶりの曲なんかも、さっと歌えるさださんも凄いですが、
当たり前の話、カラオケではなく、フルバンド編成なので、
バンドの方たちのその日までの練習量を想像すると、
プロの凄みを感じずにはいられませんでした。
それなのに前半は弾き語りの曲ばかりになってしまったという
しっかりしたオチもついておりました(笑)
僕がさださんを好きになった理由は、その曲や、記憶力や、
演奏力、そしてトーク力のすごさももちろんあるのですが、
そんな天才を前にして、お客さんたちがまったく崇拝も緊張もしていないことでした。
有名な話ですが、曲中にトイレに立ったお客さんに対し、
さださんが「な…なんでこのタイミング!?」と聞くと、
「だって曲はCDで聞けるもん。もっと喋って!!」というエピソード。
互いがそんなテンションなので、さださんのコンサートには
いつもすごく良いムードが溢れているんですよね。
良い演奏、良いライブは僕も他にたくさん経験がありますが、
この大きな規模で、こういうムードのコンサートは感じたことがありません。
もしかしたらリピート率が多いのも、音楽やトークだけでなく、
この空気感を共有することが、見えない大きな一要因となっているのかもしれません。
この日も笑いと涙に包まれた、しあわせいっぱいな夜なのでした。
コンサートが終わり、お送りしたお花の前で記念写真を撮ろうとするも、 後ろから来るファンの方々の勢いに押され結局撮れず終い(笑)
作者なのになぁ。。。と思いつつ、その方たちがこの花と作品を
携帯で嬉しそうに撮って下さっている姿を見て、
これはもしかすると「サイン下さい」と言われるよりもっと
イラストレーター冥利に尽きることなのかもしれないなぁと思いました。
今回、大阪から東京の武道館まで足を運んだのも、
ジャケットに対するみんなの反応を確かめたいという理由も大きくあったのでした。
というのも、これまで僕の絵を観てくれていた方々は主に10代後半~20代後半。
そしてさださんのファンの年齢層は主に40代~60代と、
親子ほど年の離れているので、作品を受け入れて頂けるか、
CDが発売してからもとても心配だったのです。
そんな心配はその一件で吹き飛んでしまったのですが、
今回のパンフレットにもバッチリ顔写真載せて頂いておりますので、
さださんのファンの方々も以後お見知りおきを。 そして気に入って下さった方は僕のサイン会にも足をお運び頂ければ幸いです。
ということで最後は久々のサイン会のお知らせです。
東武ブックスビーンズ戸田公園店の開店を記念して、
来たる8月10日(土)に久々の関東でのサイン会を開催させて頂きます。
詳細は以下の通りです。
中村佑介サイン会
日時/2013年8月10日(土) 13:00~18:00
定員/100名(1時間あたり20名)
会場/東武ブックスビーンズ戸田公園店(埼玉県戸田市本町4丁目15-1)
参加条件/画集『Blue』(3990円)もしくはポストカード集『RED』(1000円)どちらかの当日購入者 参加者特典/スケジュール帳「ecrii×Nakamura Yusuke Diary 2013-2014」 ※季刊エス前号についていた付録と同じものです
<参加方法>
■1期
7/12~7/29まで810@tobubooks.comまで
下記応募要項を記入してメールにてお申し込み下さい。
①氏名(フルネーム) ②電話番号 ③当日のご購入銘柄(「Blue」or「RED」)
■2期
7/31~8/9までビーンズ戸田公園店の店頭にて受付
【お問い合わせ】7/31 10:00~ TEL / 048-291-8337
※ 先着順にて整理番号をメールで返信させて頂きます。(例:「13:00-①・・・・⑳」)
※サイン会当日の各時間帯内ではレジにてお会計後、先着順で列にお並び頂きます。
※尚、サイン会の時間帯指定、既にお持ちの本へのサインはご遠慮頂いております。ご了承ください。
ホフディランの小宮山雄飛さんのTV番組『シコウヒンTV』にご出演させて頂きました。
現在、僕の回の前編・後編の2回分が以下で公開中です。
【前編】 http://www.andsmile.tv/m/00580-m450.html
【後編】 http://www.andsmile.tv/m/00582-m450.html
まさかこんなことになろうとは…という、今の自分になるきっかけとなった
シコウヒンを紹介しております。視聴に際しての登録も必要なく無料で、
その劇場短編アニメの一部も見れますので、ぜひご覧くださいませ。
ぜひ、今週末からはじまる講演会ツアーまで足をお運び下さい。
<中村佑介 2013夏 講演会スケジュール>
■7月21日(日)13:00~ ヒューマンアカデミー大阪校
【予約・詳細】http://ha.athuman.com/event/illustrator/nakamura.php
【地図】http://blog.athuman.com/osaka/map.html?code=130282
■7月27日(土)受付12:00~ 東京コミュニケーションアート専門学校
【予約・詳細】http://www.tca.ac.jp/creative/event/sp.html#nakamurayusuke
【地図】http://www.tca.ac.jp/creative/school/access.html
■7月28日(日)13:00~ ヒューマンアカデミー東京校
【予約・詳細】http://ha.athuman.com/event/illustrator/nakamura.php
【地図】http://blog.athuman.com/tokyo/map.html?code=130282
■8月3日(土)13:00~ ヒューマンアカデミー広島校
【予約・詳細】http://ha.athuman.com/event/illustrator/nakamura.php
【地図】http://haa.athuman.com/location/school/hiroshima/guidance/?code=041039
※講演会はいずれも入場無料ですが、事前にご予約が必要となります。
座席数に限りもございますので、お早めに各日程の【予約・詳細】からお申し込み下さい。
さて、こちらも子供の頃には考えられないような嬉しい出来事でした。
17日(水)はさだまさしさんの記念すべき4000回目のコンサートを観る為、
日本武道館まで行ってきました。はじめて訪れた武道館は、夜と雨の影響で、
あの印象的な形はあまり確認できなかったものの、
それでも建物内の窓の形や、壁のしみ、また充満する匂いは
長い長い歴史を語りかけてくるようで、コンサートがはじまる前から恍惚としてしまいました。
一緒に行った飛鳥新社・沼田さんも、デザイナーの前川景介くんも、そして妻も、
みんな初武道館。そんな意味でも足並みを揃えていざ会場の中へ。
今回ジャケットを描かせて頂いたベストアルバム『天晴』も、
元はといえばこの日を記念して作られた1枚なので、
(通常版は3枚、初回限定版はDVDもついているので4枚組ですが)
ジャケットの絵があしらわれたTシャツやクリアファイルなどのグッズもたくさんあって、
その中で一番気に入っているのがこの風呂敷。
いつもCDジャケットになった際に印刷が潰れて見えなかった細部も、
すべてはっきりと見え、嬉し恥ずかしでした。
そしてコンサートがはじまりました。この日は会場だけでなく、
プログラムもスペシャル。なんと500曲以上あるさださんの楽曲の中から、
アンケートを取り、その場でくじびきを引き、曲目と曲順を決めて行くというもの。
譜面も見ずに7年ぶりの曲なんかも、さっと歌えるさださんも凄いですが、
当たり前の話、カラオケではなく、フルバンド編成なので、
バンドの方たちのその日までの練習量を想像すると、
プロの凄みを感じずにはいられませんでした。
それなのに前半は弾き語りの曲ばかりになってしまったという
しっかりしたオチもついておりました(笑)
僕がさださんを好きになった理由は、その曲や、記憶力や、
演奏力、そしてトーク力のすごさももちろんあるのですが、
そんな天才を前にして、お客さんたちがまったく崇拝も緊張もしていないことでした。
有名な話ですが、曲中にトイレに立ったお客さんに対し、
さださんが「な…なんでこのタイミング!?」と聞くと、
「だって曲はCDで聞けるもん。もっと喋って!!」というエピソード。
互いがそんなテンションなので、さださんのコンサートには
いつもすごく良いムードが溢れているんですよね。
良い演奏、良いライブは僕も他にたくさん経験がありますが、
この大きな規模で、こういうムードのコンサートは感じたことがありません。
もしかしたらリピート率が多いのも、音楽やトークだけでなく、
この空気感を共有することが、見えない大きな一要因となっているのかもしれません。
この日も笑いと涙に包まれた、しあわせいっぱいな夜なのでした。
コンサートが終わり、お送りしたお花の前で記念写真を撮ろうとするも、
作者なのになぁ。。。と思いつつ、その方たちがこの花と作品を
携帯で嬉しそうに撮って下さっている姿を見て、
これはもしかすると「サイン下さい」と言われるよりもっと
イラストレーター冥利に尽きることなのかもしれないなぁと思いました。
今回、大阪から東京の武道館まで足を運んだのも、
ジャケットに対するみんなの反応を確かめたいという理由も大きくあったのでした。
というのも、これまで僕の絵を観てくれていた方々は主に10代後半~20代後半。
そしてさださんのファンの年齢層は主に40代~60代と、
親子ほど年の離れているので、作品を受け入れて頂けるか、
CDが発売してからもとても心配だったのです。
そんな心配はその一件で吹き飛んでしまったのですが、
今回のパンフレットにもバッチリ顔写真載せて頂いておりますので、
さださんのファンの方々も以後お見知りおきを。
ということで最後は久々のサイン会のお知らせです。
東武ブックスビーンズ戸田公園店の開店を記念して、
来たる8月10日(土)に久々の関東でのサイン会を開催させて頂きます。
詳細は以下の通りです。
中村佑介サイン会
日時/2013年8月10日(土) 13:00~18:00
定員/100名(1時間あたり20名)
会場/東武ブックスビーンズ戸田公園店(埼玉県戸田市本町4丁目15-1)
参加条件/画集『Blue』(3990円)もしくはポストカード集『RED』(1000円)どちらかの当日購入者
<参加方法>
■1期
7/12~7/29まで810@tobubooks.comまで
下記応募要項を記入してメールにてお申し込み下さい。
①氏名(フルネーム) ②電話番号 ③当日のご購入銘柄(「Blue」or「RED」)
■2期
7/31~8/9までビーンズ戸田公園店の店頭にて受付
【お問い合わせ】7/31 10:00~ TEL / 048-291-8337
※ 先着順にて整理番号をメールで返信させて頂きます。(例:「13:00-①・・・・⑳」)
※サイン会当日の各時間帯内ではレジにてお会計後、先着順で列にお並び頂きます。
※尚、サイン会の時間帯指定、既にお持ちの本へのサインはご遠慮頂いております。ご了承ください。
#
by kazekissa
| 2013-07-20 05:45
| 日記
扉
あっという間にもう週末ですが、今週は僕にとって大きな出来事がありました。
それは今週号のジャンプにて鳥山明先生の新連載がはじまったことです。
鳥山明先生といえば、言わずと知れた『ドラゴンボール』や『Dr.スランプ』の作者であり、
僕が鳥山先生から多大なる影響を受けたという事実は、改めて言わなくちゃ解らない事でしょう。
中学生の頃の僕は、今の職業であるイラストレーターではなく、
漫画家…いや今考えると、"鳥山明"その人になることを目指していました。
だから必要もないのに鳥山先生の似顔絵のトレードマークであるガスマスクや
サングラスを買うだけではなく、当然漫画を描いていたのですが、
内容は毎回第1話から天下一武道会の決勝戦ばかりで、2ページ以上どうも続かない。
早い話がつまらない。しかし、扉絵を描くのは大好きで、周りからの評判もそこに集中していました。
というのも僕は鳥山作品は特に扉絵や表紙絵のイラストが大好きで、
穴があくほど見ていたので、それを描く為の蛇足として漫画を描いていたのです。
これは漫画を描いている方にとってはほんと失礼な話だと思うのですが、
それくらい鳥山先生の描く1枚絵には、デザイナーを目指していただけあって、
漫画と同等、僕にとってはそれ以上の魅力がありました。
なので画集はもちろん、ゲームもしないのに、先生のイラストを見る為だけに
ドラゴンクエストの攻略本を買ったりしていました。
影響はそれだけではありません。その扉絵に描かれているキャラクター、
例えばドラゴンに乗っている孫悟空や、バイクにまたがる亀仙人などなど、
大体真横から見た構図で描かれていました。
その時の世間的には、斜め上から描かれた構図の、
影がざざっと入っている劇画調の人物の絵=上手いという中、
さらに絵がうまくなったら、トーン(影)を使わなくても、
一見平坦になりがちな真横からの構図でも、立体感を出せるのか!
かっこいい~!! と興奮したものです。
だから、そんな僕がやがて1枚絵を描くイラストレーターという職業を目指し、
印影を使わない横からの姿ばかりに挑戦しているのもうなずける話じゃないでしょうか。
と、前置きが長くなってしまいましたが、そんな鳥山先生の
13年ぶりの新連載『銀河パトロール・ジャコ』が載っているということで
13年ぶりに週刊少年ジャンプを買ってきました。 内容は異星人から地球を救う為に、タイムパトロール宇宙人・ジャコがやってくる。
というお話しなのですが、やはり僕は今回も扉絵に注目してしまうのです。
そして穴があくほど眺めた結果、そこに発見がありました。 このタイトルの横についた「1/10+1 DB-11」という謎の記号。
そして作中でジャコが言う"凶悪な宇宙人の星から…飛行物体"という台詞、 さらに巻末ページの鳥山先生の実に含みのあるコメント。
ドラゴンボールの孫悟空は邪心のまったくない主人公ですが、
元は凶悪なサイヤ人の星から、地球を滅亡させる為に送り込まれた戦士で、
ただ地球到着時に頭を強く打ち、記憶喪失になり、邪心もなくなった。そんなお話しでした。
それを思い出すとすべてに合点がいきます。
ジャコの言う"凶悪な星"とはサイヤ人の故郷・惑星べジータのことで、
これはドラゴンボールがはじまる前日談。だからわざと古臭い世界観で、
タイトル横の数字"DB-11"も、"ドラゴンボールまであと11話"ということなのかもしれません。
ドラゴンボールのレッドリボン軍編で、別作品である『ドクタースランプ』のアラレちゃんが登場し、
ふたつの漫画が同じ世界の話だったという事もあったので、
おそらくこの『銀河パトロール ジャコ』も同じ世界なのでしょう。
もしそれが正解なら、最後に残った謎の記号"1/10+1"は
ジャコが全10話あって、これは1話目で、最後の1話はおまけとして、
ドラゴンボールの第0話になるということ。
となると、少なくともあと10週はジャンプを買い続けなければいけません。
昔ドラゴンボールを読んでいた皆さまも、憂鬱な月曜日が楽しみなる方法、
まだ間に合いますので、ぜひ扉の向こうまでお進み下さい。
それは今週号のジャンプにて鳥山明先生の新連載がはじまったことです。
鳥山明先生といえば、言わずと知れた『ドラゴンボール』や『Dr.スランプ』の作者であり、
僕が鳥山先生から多大なる影響を受けたという事実は、改めて言わなくちゃ解らない事でしょう。
中学生の頃の僕は、今の職業であるイラストレーターではなく、
漫画家…いや今考えると、"鳥山明"その人になることを目指していました。
だから必要もないのに鳥山先生の似顔絵のトレードマークであるガスマスクや
サングラスを買うだけではなく、当然漫画を描いていたのですが、
内容は毎回第1話から天下一武道会の決勝戦ばかりで、2ページ以上どうも続かない。
早い話がつまらない。しかし、扉絵を描くのは大好きで、周りからの評判もそこに集中していました。
というのも僕は鳥山作品は特に扉絵や表紙絵のイラストが大好きで、
穴があくほど見ていたので、それを描く為の蛇足として漫画を描いていたのです。
これは漫画を描いている方にとってはほんと失礼な話だと思うのですが、
それくらい鳥山先生の描く1枚絵には、デザイナーを目指していただけあって、
漫画と同等、僕にとってはそれ以上の魅力がありました。
なので画集はもちろん、ゲームもしないのに、先生のイラストを見る為だけに
ドラゴンクエストの攻略本を買ったりしていました。
影響はそれだけではありません。その扉絵に描かれているキャラクター、
例えばドラゴンに乗っている孫悟空や、バイクにまたがる亀仙人などなど、
大体真横から見た構図で描かれていました。
その時の世間的には、斜め上から描かれた構図の、
影がざざっと入っている劇画調の人物の絵=上手いという中、
さらに絵がうまくなったら、トーン(影)を使わなくても、
一見平坦になりがちな真横からの構図でも、立体感を出せるのか!
かっこいい~!! と興奮したものです。
だから、そんな僕がやがて1枚絵を描くイラストレーターという職業を目指し、
印影を使わない横からの姿ばかりに挑戦しているのもうなずける話じゃないでしょうか。
と、前置きが長くなってしまいましたが、そんな鳥山先生の
13年ぶりの新連載『銀河パトロール・ジャコ』が載っているということで
13年ぶりに週刊少年ジャンプを買ってきました。
というお話しなのですが、やはり僕は今回も扉絵に注目してしまうのです。
そして穴があくほど眺めた結果、そこに発見がありました。
そして作中でジャコが言う"凶悪な宇宙人の星から…飛行物体"という台詞、
ドラゴンボールの孫悟空は邪心のまったくない主人公ですが、
元は凶悪なサイヤ人の星から、地球を滅亡させる為に送り込まれた戦士で、
ただ地球到着時に頭を強く打ち、記憶喪失になり、邪心もなくなった。そんなお話しでした。
それを思い出すとすべてに合点がいきます。
ジャコの言う"凶悪な星"とはサイヤ人の故郷・惑星べジータのことで、
これはドラゴンボールがはじまる前日談。だからわざと古臭い世界観で、
タイトル横の数字"DB-11"も、"ドラゴンボールまであと11話"ということなのかもしれません。
ドラゴンボールのレッドリボン軍編で、別作品である『ドクタースランプ』のアラレちゃんが登場し、
ふたつの漫画が同じ世界の話だったという事もあったので、
おそらくこの『銀河パトロール ジャコ』も同じ世界なのでしょう。
もしそれが正解なら、最後に残った謎の記号"1/10+1"は
ジャコが全10話あって、これは1話目で、最後の1話はおまけとして、
ドラゴンボールの第0話になるということ。
となると、少なくともあと10週はジャンプを買い続けなければいけません。
昔ドラゴンボールを読んでいた皆さまも、憂鬱な月曜日が楽しみなる方法、
まだ間に合いますので、ぜひ扉の向こうまでお進み下さい。
#
by kazekissa
| 2013-07-19 20:48