映画『逃亡くそたわけ～21才の夏』を観てきました。

精神病院から逃亡した男女が、車で九州を横断するロードムービーです。
夜通し運転しても何処までも同じスピードでついてくる幻聴や幻覚、
行き止まりで意を決して彼女が取った行動は・・・
って浜村淳みたくオチまで言っちゃうところだったけど、
大阪はどうせ７日までしか観られないのでいいじゃん。

どんな難解なあや取りでも元はシンプルな毛糸で、
つーっと一直線な状態じゃつまんないから、
結んで輪にして僕らは何かを模倣し美しい形を作ろうとした結果です。
だけどこちとてはじめてなもんだから、絡まっちゃってもう大変。
でもそこには何かを作ろうとした意志が残り、
見たこともないような形が偶然に生まれています。
それは誰かにとっては滑稽に見えるでしょう。
また誰かにとっては美しく見えるかもわかりません。
星の王子さまにもこんな話、ありましたね。
さらにさっと指でさらって「ほら」と違う形に出来たら格好いいなぁ。

ピーズの曲に乗って猛スピードで駆ける車のシーンをボーっと観ながら、
ふと友達の女の子が「バイクが欲しい」と言っていたのを思い出しました。
だけど哀しみもついて来れないようなスピードで走り抜けた先は、
ちょっと寂しいところのような気もするので、
安全運転が一番だよと、急に空想の世界から返って来るように、
映画は終わり、僕は自転車でアメリカ村を後にします。

ちょっといいこと考えたからか、
フランス座の石野さんが約束のライターをくれました。
奈緒ちゃん、どうもありがとう。
LARKの期間限定キャンペーン特典らしく、金色のライオンの形をしています。
安全運転に並び、健康も一番だけど、
僕の煙草もオートバイのようなものかなと火をつけ、
ブルンと息を飲み、四天王寺の坂道を一気に駆け上がりました。
てっぺんで煙草をもみ消しても、12月の息は白く可笑しくなるなんて、
な・ん・て・こ・と・か・し・ら。