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イラストレーター、ミュージシャン中村佑介のオフィシャルブログ または心のおもらし。Twitterは@kazekissaまで。


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さよならパステルズバッジ、こんにちはポプシクルバッジ

タイトルの前半は、かつてシンガーソングライターの小沢健二さんと
現在はcorneliusとして活動している小山田圭吾さんのユニットである
フリッパーズギター1st ALBUMの代表曲タイトルです。



歌詞はこのように英詞なのですが、フリッパーズギターも影響を受けた
イギリスのTHE PASTELSというバンドの缶バッジを洋服から外して、
引き出しにしまい、明日へ進む。ものすごく大雑把にいえば、
そのような前向きな曲で、高校時代、僕はこの曲が大好きで、
コードひとつ知らないのに、ストラップなしで歩きながらギターを弾く練習をしていました。
いまだに地下鉄に乗ると、「向こうの車両からお二方が、
この疾走感のある曲を歌いながらやってくるのではないか!?」
そう錯覚することもあります。ちなみに学校の廊下の角からは
もちろん『ハイスクール!奇面組』が出てくることを期待していました。

フリッパーズギターの活動は1989年からのわずか3年ほどで、
僕が好きになった頃には、もうとっくに解散していたのですが、
それから10年くらいは、どんな音楽を聴いてもフリッパーズギターに戻って来てしまう。
まるで動物学者が「鳥の雛は初めて見たものを親と思い込む」と指摘した"刷り込み"の様に、
青春時代に聴く音楽は、より強烈に記憶と結びついてしまうものです。
僕も例外ではなく、パステルズバッジではなくフリッパーズバッジを外せないまま
刻々と年月だけが過ぎてゆきました。

それからしばらくして、大学に入った頃、
そのフリッパーズギターの影響を受けたバンドが続々とデビューしました。
今もアニメ界で活躍されているRound Tableやロッキーチャック、
カジヒデキさんやホフディラン、Cymbalsやadvantage lucyやSwinging Popsicle、
関西でもボビーズロッキンチェアーやboys & girls togetherなどなど数えきれない程。
純和風フォークのイメージが強い曽我部恵一さんのバンド・サニーデイサービスも
インディーズの頃は、フリッパーズギターのような英国風音楽でした。

でも似ていれば似ている程、「結局フリッパーズだよなぁ」と
後ろ向きな音楽との付き合い方をしていた頃、
その中で唯一、CD屋でみかけても名前がごつそうという理由だけで、
聴いていなかったバンドの曲が、ラジオから流れてきました。
それがGOMES THE HITMANです。



ファブリーズのCMでピエール瀧さんとの夫婦役も記憶に新しい
モデル、女優の西田尚美さんが出演しているこのPV曲「夜明けまで」もそうですが、
デビューしたてのGOMES THE HITMANはどちらかというと、
フリッパーズギターというより、小沢健二さんや、日本の古いポップス、
また海外のシンガーソングライターに強く影響を受けたような音楽性で、
日本語の歌詞をとても丁寧に綴り、歌う。そんな誰もが出来そうで、
周りにはなかなか見当たらなかった姿をすぐに好きになりました。
僕も楽器をはじめた頃でしたので、コード譜が載っている
GOMES THE HITMANの歌詞カードを見て歌うのに夢中になり、
いつの間にかフリッパーズギターのことは忘れてしまっておりました。

GOMES THE HITMANの歌詞は、松本隆さんやさだまさしさんのように、
風景とストーリーがきちんと設定されているので、それを聴いていると、
絵が描きたくなってきました。もちろん芸術大学に在籍していたので、
毎日絵は描いていたものの、それはあくまで課題であって、
それ以外のものを自然と描きたくなったのは久しぶりの気持ちでした。
そしてその気持ちは続き、僕は音楽を聴きながら絵を描く人、
つまり、CDジャケットを描くイラストレーターとなっておりました。

ただ、いまだにふと心残りに思っていたことは、
僕はCDから3000円の定価以上のものを頂いたのに、
その方たちに恩返しできていないということでした。
そしてその機会がついに巡ってきたのです。
さよならパステルズバッジ、こんにちはポプシクルバッジ_b0102637_1928558.jpg
これは1月19日(土)に表参道GROUNDで開かれる
『POPS Parade Festival -the Anniversaries-』というイベントの予約特典で
プレゼントされる出演者の似顔絵バッジを描かせて頂いたのです。

出演者の山田稔明さん(GOMES THE HITMAN)、HARCOさん、Chocolat & Akitoさん 、
杉本清隆さん(ex.ORANGENOISE SHORTCUT)、risette、Bertoiaという6組の計13名。
ちょうど僕が大学の頃から、絵を描きながら熱心に聴いていたミュージシャンの方々でしたので、
ほんとうにしあわせな時間の中、制作しました。それぞれの吹き出しから出ている言葉を集めると、
本イベントの主催サイトである"ポプシクリップ"となります。イベントの詳細は以下になります。

POPS Parade Festival -the Anniversaries-』

【日 程】2013年1月19日(土) open 16:00/start 16:30
【会 場】表参道GROUND(旧表参道FAB) 地図はコチラ
【出 演】Bertoia、Chocolat & Akito、HARCO、risette、
      杉本清隆(orangenoise shortcut) 、山田稔明(GOMES THE HITMAN)
【料 金】前売 3,800円(+1drink)/当日 4,300円(+1drink)
【予 約】コチラからか、ローソンチケット(Lコード:79948)
【備 考】入場は整理番号順となります。
【お問い合せ】http://www.popsicleclip.com/お問合せ/
【詳 細】公式サイトからご確認ください。

Bertoia 『Snow Slide』

my bloody valentineに代表されるシューゲイザーといいう音楽ジャンルですが、
その中でもBertoiaの透明感のあるヒリヒリとした曲は、気付けば心が低温火傷してしまいます。

Chocolat & Akito 『扉』

カジヒデキさんのプロデュースでデビューした元・モデルのショコラさんと、
その旦那さまである、GREAT3の片寄明人さんのユニットの最新曲。
ご夫婦の距離感と音楽性が見事に結びついたピースフルな扉の向こうです。

HARCO 『世界でいちばん頑張ってる君に』

スズキ・アルトのCMソングだったので、おそらくこの曲が一番有名ですが、
例えば、YUKIさんの名曲『夏のヒーロー』もHARCOさんの楽曲です。
マルチプレイヤーとしてGOING UNDED GROUNDのキーボードや、
COILのドラムなど、サポートとしてのお仕事も多数されています。

risette 『水玉のエチュード』
risetteはこの中でも特にネオアコースティックやスウェディッシュポップ、
ソフトロックなど、海外の音楽を純度の高いまま昇華したグループなのですが、
コナミのアーケード音楽ゲーム「pop'n music」への楽曲提供でも広く知られています。

orangenoise shortcut 『桜リタルダンド(feat.櫛引彩香)』

杉山さんの曲もこのorangenoise shortcutというユニットとして
『pop'n music』でよく使用されていたので、聴いたことがある方が多いかもしれません。
杉山さんもドラムやパーカっションで数々のバンドのサポートでお見かけします。

山田稔明 『hanalee』
GOMES THE HITMANのボーカル・ギターである山田稔明さんソロの代表曲"ハナリー"。
ソロになった山田さんの音楽は、アメリカのシンガーソングライターやフォークミュージックなど
これまで以上にビターで味わい深い珈琲のような音楽になっております。


いかがでしたか?知らないアーティストの聴いたことない曲も
あったかもしれません。でもとても良いでしょう。僕の好きな方たちです。
しかし残念なことに僕はちょうどその日に広島でサイン会があり、
泣く泣く参加することができませんので、関東方面の方で、
1曲でも「好きだな」と思う方がいましたら、ぜひ僕の代わりに、
新しい音楽との出会いの場へ足を運んでみて下さい。

そんな中から、またあの頃の僕のように、このバッジをつけて、
しばらくして引き出しにしまい、自分の道を歩み出す人が出てきたら、
とても素敵だなぁと思います。バッジにはそんな力があるんだなと、
感謝の気持ちとともに、久しぶりに『さよならパステルズバッジ』を聴きながら
書いた日曜日の日記でした。ありがとうございます。
by kazekissa | 2013-01-13 21:39 | 日記