イラストレーター、ミュージシャン中村佑介のオフィシャルブログ または心のおもらし。Twitterは@kazekissaまで。
by kazekissa
ライフログ
ブログパーツ
リンク
■グッズ通販
■ポストカード通販
■画集『Blue』
■檸檬通り
■セイルズ
■うたにっき
お仕事の依頼、ご意見、ご感想はコチラまで。
<家族や友人、先生>
■あっちゃん
■あっこ
■石黒くん
■薫ちゃん
■柏木くん
■景介くん
■こいちゃん
■ゴッチ
■坂本さん
■さゆりちゃん
■寿一
■田中さん
■田上さん
■土井ちゃん
■徳永さん
■奈緒ちゃん
■能町さん
■はまじ
■林先生
■林さん
■古谷さん
■真理藻ちゃん
■みほちゃん
■やっこちゃん
■山田さん
■よしっこ
<協賛>
■飛鳥新社
■ART HOUSE
■digmeout ART&DINER
■なんば紅鶴
■なんば白鯨
その他のジャンル
馬が走る
まずは日本テレビ『嵐にしやがれ』をご覧下さった皆さま、
どうもありがとうございました。
元々時間の短いミニコーナーへの出演ということでしたので、
大野くんとの合作イラストの説明が中々行き届かなかったこともありますが、
たくさんの反響を頂き、うれしい限りです。
現在33才の僕が小学生の頃にもやはり、
ジャニーズ事務所のアイドルというのは人気があって、
いまはなき"光GENJI"というグループにクラス中の女の子は夢中になっていました。
しかしそんな状況は男子はひとっつもおもしろくはありません。
「アイツ等がいるから、あの娘はボクのことを見てくれないんだ!」
とんだとばっちりです。
そもそも女性、特にそのくらいの女の子は頼りがいのある年上の男性に憧れるものなので、
例え光GENJIの存在がなかったとしても、それが上級生のお兄さんになっていただけのこと。
つまり鼻から相手にされることはないのです。
だけど小学生、そんなことは気付くはずもなく、ついに行動に出ます。
学級新聞に光GENJIの人気メンバーへの根も葉もない悪口を書きはじめました。
「かーくんは出べそらしい」「内海くんは足が臭いらしい」
あぁ、小さい。そんなことするから相手にされていないのに、
火に油とはまさにこのこと。
それを読んだクラスの女の子も増せてるとはいえ、まだ子供なので、
ヒドイ…と泣き出してしまう子すらいました。
裏を返せば、"光GENJI"というのはそれくらい人気があった訳です。
さて、僕の好きだった子も例外なく、光GENJIのプロマイドを下敷きに挟んでいましたが、
僕はそんな男子たちの行動を見て「馬鹿だなぁ」と思っていました。
「あんなことをしたら好きな子に相手にされないどころか、余計嫌われてしまうのに…
好かれたかったら、手っ取り早く光GENJIのメンバーになればいいねん!」
あのね、本当の馬鹿は誰なのか問題は、話が進みませんのでこの際置いといて、
その日から僕の"あの娘の下敷きに挟まるプロジェクト"がはじまりました。
まずはお小遣いで光GENJIのシンボルである、ローラースケートを買いに行きました。
彼らが履いていたのはスニーカーにそのまま車輪がついているものでしたが、
ダイエーに買いに行ったら、それは小学生の溜めたお小遣いでは手も足も出ない金額でしたので、
ひとまず自分の靴に金具で取りつけるベルトタイプの安いものを購入。
また、これまた特徴であった、頭につけた大きな羽根は、
いつもはしない募金をしてもらった小さな"緑の羽根"を装着。
そして近所の女の子に借りたカセットでヒット曲『パラダイス銀河』を憶え、
いざ、繰り出します。近所へ。
なぜなら従兄妹の家で読んだアイドル雑誌『明星』に、
光GENJIのメンバーが「デビューのきっかけは原宿を歩いていたらスカウトされた」
とあったからです。当時の僕の家は兵庫県の西宮市にありましたが、
テレビも見ず、地理もまったく知らない子供だったので、
「"ハラジュク"って聞いたことないけど、遠くてもまぁ隣町のその隣くらいだろう」
と思っていたのです。
しかし、意気込んだのはいいものの、ローラースケートはつるつると中々進みません。
そこで、うちで飼っていた柴犬に引っ張ってもらい、
とにかく高そうな車を見つけては、そこにジャニーさんが乗っているかもしれないので、
歌声を聞きつけて「You デビューする?」と言われるかもしれないので、
そしたらプロマイドになって、あの娘の下敷きに挟まれるかもしれないので、
声を振り絞って『パラダイス銀河』を歌う頭に緑の羽根をつけた少年は
来る日も来る日も必死で高級車の後を追いました。
実際必死だったのは愛犬と逃げる車の運転手さんだったと思いますが。
そのままスカウトされることもなく1年が経ち、
何とか犬なしでローラースケートも滑れるようになった頃には、
光GENJIの人気は落ち着いて、気付いたら好きな子の下敷きは
サンリオの"ケロケロけろっぴ"というカエルのキャラクターのものになっており、
さすがに霊長類と両生類という、生物の種を超えられると思っているほど、
幸運にもそこまでの馬鹿ではありませんでしたので、
僕の"あの娘の下敷きに挟まるプロジェクト"もそこでやむなく中止となりました。
それくらいジャニーズの存在というものは、
少なくとも子供心に大きかったので、
今回の『嵐にしやがれ』への出演は、あの頃の僕や、その想い、
また、錆びて埃を被ったロ-ラースケートも浄化されるような、
貴重な体験になるのかな、と思いましたが、
スタジオとイラストの打ち合わせでお話した大野くんも、
控室でお見かけした嵐の皆さんも、驚くほどアイドルアイドルしておらず、
自然体な方たちだったので、こうしてじわじわと人柄が認められ、そして愛され
人気が出たのだなと妙に納得し、それ以上の貴重な体験となりました。
そんな現在も過去も、嵐も僕もみなさんも含めた
ピースフルなイラストになったと思います。
そして、もちろん嵐というグループの持つムードもありますが、
制作真っただ中に震災があった為、日本地図部分の震源地である宮城沖をハートで囲み、
いつもの仕事では出来ないようなとびきり元気でカラフルな色使いで仕上げました。
著作権や肖像権の都合上、残念ながらここでバーンと見せることは出来ず、
番組を見ていない方にとってはなんのこっちゃの説明になってしまいましたが、
そんな風に最近のイラストの中で、特に見て欲しい1枚となりましたので、
再放送か、ビデオを録っているお友達に借りて、ぜひともご覧いただきたく思います。
それにしても、あの頃こうして日本地図が描けていたら、
あてもなく近所で原宿を探し回るような馬鹿な真似はしなかっただろうに。
しかし、それがなかったら今の僕もいないような気もしますので、
これにて一件落着にしやがれ。ということで。
どうもありがとうございました。
元々時間の短いミニコーナーへの出演ということでしたので、
大野くんとの合作イラストの説明が中々行き届かなかったこともありますが、
たくさんの反響を頂き、うれしい限りです。
現在33才の僕が小学生の頃にもやはり、
ジャニーズ事務所のアイドルというのは人気があって、
いまはなき"光GENJI"というグループにクラス中の女の子は夢中になっていました。
しかしそんな状況は男子はひとっつもおもしろくはありません。
「アイツ等がいるから、あの娘はボクのことを見てくれないんだ!」
とんだとばっちりです。
そもそも女性、特にそのくらいの女の子は頼りがいのある年上の男性に憧れるものなので、
例え光GENJIの存在がなかったとしても、それが上級生のお兄さんになっていただけのこと。
つまり鼻から相手にされることはないのです。
だけど小学生、そんなことは気付くはずもなく、ついに行動に出ます。
学級新聞に光GENJIの人気メンバーへの根も葉もない悪口を書きはじめました。
「かーくんは出べそらしい」「内海くんは足が臭いらしい」
あぁ、小さい。そんなことするから相手にされていないのに、
火に油とはまさにこのこと。
それを読んだクラスの女の子も増せてるとはいえ、まだ子供なので、
ヒドイ…と泣き出してしまう子すらいました。
裏を返せば、"光GENJI"というのはそれくらい人気があった訳です。
さて、僕の好きだった子も例外なく、光GENJIのプロマイドを下敷きに挟んでいましたが、
僕はそんな男子たちの行動を見て「馬鹿だなぁ」と思っていました。
「あんなことをしたら好きな子に相手にされないどころか、余計嫌われてしまうのに…
好かれたかったら、手っ取り早く光GENJIのメンバーになればいいねん!」
あのね、本当の馬鹿は誰なのか問題は、話が進みませんのでこの際置いといて、
その日から僕の"あの娘の下敷きに挟まるプロジェクト"がはじまりました。
まずはお小遣いで光GENJIのシンボルである、ローラースケートを買いに行きました。
彼らが履いていたのはスニーカーにそのまま車輪がついているものでしたが、
ダイエーに買いに行ったら、それは小学生の溜めたお小遣いでは手も足も出ない金額でしたので、
ひとまず自分の靴に金具で取りつけるベルトタイプの安いものを購入。
また、これまた特徴であった、頭につけた大きな羽根は、
いつもはしない募金をしてもらった小さな"緑の羽根"を装着。
そして近所の女の子に借りたカセットでヒット曲『パラダイス銀河』を憶え、
いざ、繰り出します。近所へ。
なぜなら従兄妹の家で読んだアイドル雑誌『明星』に、
光GENJIのメンバーが「デビューのきっかけは原宿を歩いていたらスカウトされた」
とあったからです。当時の僕の家は兵庫県の西宮市にありましたが、
テレビも見ず、地理もまったく知らない子供だったので、
「"ハラジュク"って聞いたことないけど、遠くてもまぁ隣町のその隣くらいだろう」
と思っていたのです。
しかし、意気込んだのはいいものの、ローラースケートはつるつると中々進みません。
そこで、うちで飼っていた柴犬に引っ張ってもらい、
とにかく高そうな車を見つけては、そこにジャニーさんが乗っているかもしれないので、
歌声を聞きつけて「You デビューする?」と言われるかもしれないので、
そしたらプロマイドになって、あの娘の下敷きに挟まれるかもしれないので、
声を振り絞って『パラダイス銀河』を歌う頭に緑の羽根をつけた少年は
来る日も来る日も必死で高級車の後を追いました。
実際必死だったのは愛犬と逃げる車の運転手さんだったと思いますが。
そのままスカウトされることもなく1年が経ち、
何とか犬なしでローラースケートも滑れるようになった頃には、
光GENJIの人気は落ち着いて、気付いたら好きな子の下敷きは
サンリオの"ケロケロけろっぴ"というカエルのキャラクターのものになっており、
さすがに霊長類と両生類という、生物の種を超えられると思っているほど、
幸運にもそこまでの馬鹿ではありませんでしたので、
僕の"あの娘の下敷きに挟まるプロジェクト"もそこでやむなく中止となりました。
それくらいジャニーズの存在というものは、
少なくとも子供心に大きかったので、
今回の『嵐にしやがれ』への出演は、あの頃の僕や、その想い、
また、錆びて埃を被ったロ-ラースケートも浄化されるような、
貴重な体験になるのかな、と思いましたが、
スタジオとイラストの打ち合わせでお話した大野くんも、
控室でお見かけした嵐の皆さんも、驚くほどアイドルアイドルしておらず、
自然体な方たちだったので、こうしてじわじわと人柄が認められ、そして愛され
人気が出たのだなと妙に納得し、それ以上の貴重な体験となりました。
そんな現在も過去も、嵐も僕もみなさんも含めた
ピースフルなイラストになったと思います。
そして、もちろん嵐というグループの持つムードもありますが、
制作真っただ中に震災があった為、日本地図部分の震源地である宮城沖をハートで囲み、
いつもの仕事では出来ないようなとびきり元気でカラフルな色使いで仕上げました。
著作権や肖像権の都合上、残念ながらここでバーンと見せることは出来ず、
番組を見ていない方にとってはなんのこっちゃの説明になってしまいましたが、
そんな風に最近のイラストの中で、特に見て欲しい1枚となりましたので、
再放送か、ビデオを録っているお友達に借りて、ぜひともご覧いただきたく思います。
それにしても、あの頃こうして日本地図が描けていたら、
あてもなく近所で原宿を探し回るような馬鹿な真似はしなかっただろうに。
しかし、それがなかったら今の僕もいないような気もしますので、
これにて一件落着にしやがれ。ということで。
by kazekissa
| 2011-05-24 05:09
| 日記