イラストレーター、ミュージシャン中村佑介のオフィシャルブログ または心のおもらし。Twitterは@kazekissaまで。


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結婚三部作~前編~

先日、悠一くんという友人の結婚式の為にウェルカムボードを描きました。
いつも彩色はパソコンを使っているのですが、久々の絵の具での作品です。
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彼とは数年前に大阪のARTHOUSEで行った似顔絵展『PORTRATION』で出会い、
その後も僕がやっているバンド・セイルズのライブに遊びに来てくれたり、
また逆に彼の大学時代に講演会を企画してくれたりしているうちに仲を深め、
今ではプライベートの大切な友人のひとりです。

彼が生粋の長男気質なのか、ただ単に僕が甘えん坊なだけなのかは定かではありませんが、
10歳年下なのにも関わらずお兄ちゃんのように僕の面倒を見てくれて、
次第に彼の本当の弟さんにも、妹さんにも、お母さんにも、お父さんにも挨拶を済ませ、
「これで名実ともに正式の悠一の弟面できるゼ!」などと考えていたので、
結婚すると聞いた時は、「ぐぬぬ…ライバル登場!」などと自分のポジションを危うく感じました。
しかし結婚相手の萌子ちゃんもこれまた3人姉弟の長女で、保育園の先生という、
甘えるには打ってつけの人材だったのでひと安心
とてもしっかりした女性だったので、結婚の先輩としては納得しました。
そして、絵からわかる通り、彼は中学校の先生をしていて、
今年ようやく自分の担任するクラスを受け持つことになりました。

そんな公私ともに、一見とんとん拍子に人生の階段を駆け上がっているように見える彼も、
現在までずっと長い間、自分の生き方について、こと仕事において、戸惑っているように見えました。
大学在学中にバイトをしていたカフェの仕事も楽しいし、
美術や音楽などサブカルチャーに関する出版社にも興味があるし、
だけど自分は先生を目指して親元を離れ、教育大学に入ったんだし。。。
そんな迷いは非常勤→副担任と先生の道を進むにつれても、あったように思います。

そして生徒たちと触れ合って行く中で、
「この仕事イイ!俺は先生になるんだ!!」と選択肢の迷いが消え、
そこに現在の奥さまである萌子ちゃんが現れ、結婚を決めた。
これは偶然でも何でもないなぁと自分の場合を照らし合わせてみても思いました。

僕も子供の頃の夢は、いいえ、30歳まで描いていた夢は漫画家になることでした。
そう、その時僕はすでにイラストレーションの仕事を数多く手掛けていたにも関わらずです。
だから「イラストレーターの~」名乗る時はいつも抵抗を感じており、
活動して10年も経っていたのに、画集を出さなかった理由はそこにありました。
「画集を出したら、本当のイラストレーターになってしまう!
漫画家の夢をあきらめたことになってしまう!!」そんな風に考えていたのです。

しかし色々な経験を通し、「自分がなりたいもの」と「自分が向いているもの」って違うのだなと思い、
また、悠一も含め、応援して下さっている人たちと実際に会って話してみて、
段々自分でもそれが認められるようになってきて、そして理想と現実が仲直りした時に、
画集を出すことに決め、その後、すぐに結婚することも決めました。

「こんなはずじゃなかった」と後ろばかり振り向いてた自分が
「こんな人生もいいかも」と立ち止まり、「これこそが素晴らしい!」と前を向く。
きっかけは色々あると思いますし、言葉に置き換える程に、
その心の動きの様子は遠ざかる気もしますが、
それは自分(仕事)に対しても、他人(パートナー)に対しても同じことなんだと、
悠一の結婚までの道のりを思い出しながら、
「良かったねぇ、良かったねぇ」と筆を進めておりました。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「今を生きて」という最新シングルジャケットで、
花嫁衣装を描いたのも、同じ理由です。そして同じ黄色ですね。
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もしかしたら、結婚式でみんなが花嫁・花婿にかける「おめでとう!」という言葉は、
「(今日の自分と仲直りできて)おめでとう!」の省略なのかもしれませんね。
ウェルカムボードを描き上げ、少なくとも僕はそういう意味で「おめでとう!」と言って、
無事渡すことが出来ました。会ってはじめて年上らしい事を出来た気がします。
いいえ、いつも一枚上手の彼ですから、それをさせてくれたのかもしれませんね(笑)


なお、ウエディングボードにつきましては、たくさんのご要望を頂き、
僕もお祝いしたい気持ちで一杯なものの、このように長~いこと付き合って考えない事には、
やはりお会いしたことのない方の人生の1枚は責任が持てないという理由から、
誠に勝手ながら、仕事としては受け付けておりませんので、ご理解頂ければ幸いです。

必ず、二人には二人にふさわしいウェルカムボードを描く方が側にいらっしゃいます。
どんな腕の良い写真家よりも、家族が撮った写真の方が素晴らしいように。
これから結婚される方が、幸せな式を挙げられること、心から願っております。
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# by kazekissa | 2013-05-18 10:16 | 日記

講演会のお知らせ

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2013年5月25日(土)名古屋NCAにて、
翌日5月26日(日)大阪OCAにて講演会があります。

名古屋は生物学者の松原くん、大阪はイラストレーターの真理藻ちゃんを迎え、
それぞれいつもとは違った角度からの楽しい講演会になる予定です。

両日とも高校生限定で、座席数の都合上、予約が必要ですが
入場無料ですので、各HPから詳細をご確認の上、 ぜひご参加下さい。

また、ご家族やご親戚、知り合いに興味がありそうな子がいれば、
お伝え頂けると嬉しいです。

【名古屋NCA詳細】http://www.nca.ac.jp/creative/event/trial_sp.html#cre_14

【大阪OCA詳細】 http://www.oca.ac.jp/creative/event/special/201304/04.html


たくさんのご来場、心よりお待ちしております。
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# by kazekissa | 2013-05-06 16:37 | 告知

ハイ宙

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いよいよ発売になったイラストノート』No.26
"中村佑介の宇宙"と、なんとも壮大な副題がついておりますが、
宇宙という言葉を聞いて思い出すのが大学1年生のちょうど今くらいの時期の出来事。

大阪芸術大学に入学し、はじめて出来た友達の杉浦くんは、
所属していたデザイン学科ではなく、映像学科の男の子でした。
というのも大学がはじまっても、しばらくは説明会などに終始して、
きちんと学科の授業がはじまるのは桜が散った頃になり、
その前に行われるのが色々な学科の子が参加する
新入生歓迎コンパがきっかけだったからです。
僕の場合、それは一人暮らしをはじめた学生寮で行われました。
学生寮には主に、地方から出て来た子が集まるので、
心細い僕らが身を寄せ合うのは自然の流れだったのかもしれません。
しかし杉浦くんの僕へのファーストコンタクトは超自然的な発言でした。

「君ィ!今も宇宙はどんどん広がっているのに、良くそんなのんきにハイチューが食べていられるね!」

彼はそう言って、僕のあと4つくらい残っていたハイチューをさっと取り上げ、
新歓コンパの会場である学生寮の屋上から、遠くの方へ投げ捨てたのです。

まぁ、そんな決して良くはない第一印象でしたので、
その後の印象は昇るばかり。部屋も向かいで、音楽の趣味も合い、
僕らは次第にお互いの部屋を行き来するようになりました。
それぞれの学科の授業がはじまっても、夜には食材を持ち寄って、
どちらかの部屋で食事をしながら、絵やデザインの話、彼の所属している映像学科の話、
また当時弾けなかったギターも、作曲や音楽の録音の方法も教えてくれたのも彼でした。

そんな穏やかな日々はあっという間に過ぎ、大学3年生になり、
僕は一旦音楽を作るのは辞めて、本格的に絵に専念することにしました。
課題ではいつも描いていたものの、いざ「自由に」となると、
一体何を描けば良いのかわかりません。

今ではなかなか想像つかないかもしれませんが、
当時のイラストレーションやデザインは、西洋的、未来的、
そして都会的なものが主流でした。

しかし当時僕が暮らしていた大阪芸大の近くは見渡す限り田園風景で、
コンビニも当時は一軒のみ、そこも23時にはきちんと閉まる田舎ぶりでした。
自販機には見たことのない色や大きさの蚊が集会を開いておりました。
この利点を活かし、西洋への憧れではない、こんな"本当の日本"というものを、
イラストレーションに落とし込むことは出来ないかなぁと悩んでいると、
杉浦君は1枚のCDを貸してくれました。
それが以前に、林静一先生との想い出を書いた時にも登場した
"はっぴいえんど"というアーティストでした。
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後に知ったことですが、はっぴいえんどもまた、
デビュー当時の1969年、英語が当たり前だったロックという音楽に、
はじめて意識的に日本語の歌詞を取り入れ、昇華した歴史的なバンドなのでした。
メンバーは大瀧詠一、細野晴臣、鈴木茂、松本隆という、
後から考えるととんでもないメンバーの集合体です。

とりわけ僕はその音楽の中で語られる、現・作詞家の松本隆先生の手によって紡がれた
想像力や妄想をはらんだ美しくきわどい日本らしさの虜になり、
「こんな風にダサくなく日本を描けるなら、絵で同じことが出来るかもしれない!」と、
当時住んでいた自分の身の回りの風景をそのまま描きはじめました。

今も時々、僕の描く「女の子ではなく、男の子が好き」だという有難いお言葉や、
「なぜ彼は眼鏡をかけているのですか?」という質問を頂くことがあるのですが、
そんな風に自分の体験を元に描きはじめた絵だったので、
絵の登場人物のモデルは主に杉浦くんで、彼が眼鏡をかけていたからという単純な理由でした。

その時に描き始め、友達に見せていただけだった絵の作風が、
今も続いていて、どんどん色んな方に知ってもらえている現状を考えると、
杉浦くんがあの時言った「今も宇宙はどんどん広がっているんだよ!」という言葉も
副題の「~の宇宙」も、あながち大袈裟でもなかったのかもしれないなと、可笑しくなります。

元をたどればこんなに長い話なので、本誌では語り切れませんでしたが、
そんなことを色々思い出しながら、巻末の歴史のコーナーは丁寧に綴りました。
ハイチューでも食べながら、じっくり読んで頂ければ幸いです。
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# by kazekissa | 2013-04-23 04:04 | 日記

「イラストノート」第26号いよいよ明日発売!!

70ページ以上もぎっしり特集して頂いたイラストノート」第26号
いよいよ明日・4月23日(火)に発売されます。
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付録のノートもサイズがA5とかなり大きく、現在発売中の「きらら」とほぼ同じです。
中身もちゃんと使えるよう実用的なものを目指して作りました。

内容も、これまで何度か別誌にて特集を組んで頂いたことはありますが、
その中で一番、絵を描かない人でも楽しめる内容になっていると思います。
そんな間口は広いけど深みはあるカレーのような本にすべく、
長い長い時間をかけて内容を丁寧に煮込んでゆきましたので、
全国書店にていい匂いがした暁には、ご賞味頂けると幸いです。

本誌の詳しい内容につきましてはコチラから、
通販・ご予約を希望される方はコチラから。 どうぞ宜しくお願い致します。


また発売後に制作後期、記します。
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# by kazekissa | 2013-04-22 15:20 | 告知

4/23 イラストノート"中村佑介大特集"発売

4月11日(木)19:00~、ストリートファイター2や
∀ガンダムのキャラクターデザインでお馴染みの
"あきまん"ことイラストレーター・安田朗さんとの対談が、
USTREAMのDOMMUNEチャンネルにて生放送されます。

『おしえて!センパイクリエイター』
日時:2013年4月11日(木)19:00-21:00
出演:中村佑介×あきまん(安田朗) 司会:熊谷朋哉
http://intuos.wacom.jp/senior/
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クリエイターを目指す若者たちの抱える悩みや素朴な疑問に、
今を輝くトップクリエイターが彼らの言葉でアドバイスをします。
中村佑介氏と“あきまん”a.k.a安田朗氏を迎えて
若き未来のクリエイターたちの質問にライブで答えます。

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2年くらい前の季刊エス"シゴトバ探訪コーナー"以来の
あきまんさんとの再会、ほんとうに楽しみなのですが、
生放送中にはコメントを書き込めるほか、
上記リンク先から質問やお悩みも受け付けており、
Twitterにも対応しているのでお気軽に、特にクリエイターの方、
またクリエイターを目指している方ともお会いできることを、
楽しみにしております。スタジオ観覧も募集中です。


そして対談やQ&Aといえば、いよいよ4月23日(火)
イラスト誌イラストノート(No.26) "中村佑介大特集号"が発売されます。
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ASIAN KUNG-FU GENERATION、謎解きはディナーのあとで、柏木由紀さんなどなど
最新作品群はもちろんのこと、未発表作品たち、ロングインタビュー、
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小説家・石田衣良さんとの対談、絵の描き方、解説、年表、Q&A等々、
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70ページフルカラーの大ボリュームで特集して頂いております。
そして、僕がデザインしたA5ノートも付録で付いてきます。
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これだけ特集して頂いたのは、2011年の雑誌「イラストレーション」以来なので、実に1年半ぶり。
他にも初の絵本『ほしのはなし』を発表した北野武さんの特集や、
ソーシャルゲーム『神撃のバハムート』イラストレーターの特別インタビュー等々、
他の内容も盛りだくさんですので、ぜひとも楽しみにお待ち下さい。

なお専門誌ですので、お近くに大型書店がない方、
発売日に確実に手に入れたい方はコチラからご予約、ご購入下さい。

以上、宜しくお願い致します。
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# by kazekissa | 2013-04-05 08:48 | 日記