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イラストレーター、ミュージシャン中村佑介のオフィシャルブログ または心のおもらし。Twitterは@kazekissaまで。


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長い高校時代

先日の福岡の専門学校"FCA"で行われた講演会に来て下さった皆さま、
ほんとうにどうもありがとうございました。
在校生と志望している高校生のみが参加対象だったので、
ここでは告知しませんでしたが、福岡は楽しく、美味しく、満喫してきました。
長い高校時代_b0102637_3485531.jpg
講演会中の質問や、合評の時に見せてもらった学生たちの作品も
非常にユニークなものばかりで、これまでたくさんの大学や、
専門学校に行かせてもらっておりますが、
カラーではなくそういう幅の広さという意味では、
校風ってあるんだなぁと思いました。

FCAは専門学校ではめずらしく寮がついていて、
今回も同行してくれたマネジメントをして下さっている飛鳥新社の沼田さんは
「それで男子部屋と女子部屋は別の棟なんですか!?」
「夜の行き来はできるんですか!?」など、とても仕事と関係あると思えない質問で
先生方に詰め寄っていましたが、内心僕も一番気になっていたところなので、
「ちょっと~沼田さ~ん!」と突っ込みを入れつつも、
心で「さっすが次長!さっすがマネージャー!!」と思いました。

しかし一概に冗談とも言えず、芸術にとって一番必要なものって、
少なくとも僕にとっては昔から、今ではモチーフになっていますが"女性"でした。
これは女性にとっては男性であるし、またある人には同性になったり、
お子さんだったり、何にせよ好きな対象がいる時に発するパワーこそが、
絵筆を突き動かすのだと思っています。

ちょうど今回の講演会に参加してくれた高校生くん達と同じ時代、
僕は芸術大学に進学する為に画塾に通っていました。
そしてその時に好きだった漫画作品に、現在はヤングジャンプ誌で「ZETMAN」を連載中の、
桂正和先生による『電影少女』という作品があり、
この作品の14~15巻に掲載されている「恋編」の主人公・田口広夢は
同じく画塾に通っている設定だったので、とても思い入れがありました。
あまりに話が長くなるので経緯は端折りますが、その広夢くんには好きな女の子がいて、
2人っきりの石膏デッサン室で、彼女が勝手にパンツを脱ぎだすシーンがありました。
当時の僕は恋愛の経験がありませんでしたし、
桂正和先生の絵はリアルな頭身で描かれおりますので、
「こんなことがあるんだぁ。。。」などと鼻息を荒くして、
嫌々通っていて遅刻しがちだった画塾への足取りが
心なしか早くなったのを今でも憶えています。

しかし当時の芸大入試は10~20倍以上の難しい倍率で、
「浪人生しか入学できない」とまで言われており、
『電影少女』と同じく、僕の通っていた画塾にも石膏室がありましたが、
そこは浪人生で一杯で、現役高校生は一般教室で、
リンゴやコーラの瓶やヤカンなど、一般的なモチーフを描くことしか
許されていない空気なのでした。
僕がほのかに恋心を抱いていた女の子は浪人生だったので、
廊下ですれ違うだけで別々の教室に入るだけの距離間だったのに、
「石膏室…女の子……ハッ!パンツ!?か、勝手に!!!?」と連想してしまい、
その画塾の現役高校生の中で一番デッサンが上手くなったら、
石膏室に入る許可がもらえると考え、高校の授業中でも、画塾から家に帰ってからも、
デッサンの練習を死ぬほどする毎日がはじまりました。
パンツの向こう側に向かって。

そして血の出るほどの情熱は実を結び、
晴れて石膏室に入る許可が下り、そこから毎日僕は浪人生と肩を並べ、
ブルータスやモリエールたちとのにらめっこの日々がはじまります。
しかし意識は完全に、石膏室の片隅にいた好きなあのヒトと
「ふたりっきりになれないかなぁ」ばかり考え、むやみに木炭を動かし、
消しゴム代わりの食パンを食べていました。

結局、入試の日などふたりっきりになれる機会は数回あったものの、
もちろん勝手にパンツを脱いでくれるどころか、一言も口を聞けることなく、
気付けば、同級生と比べデッサンが異常に上手くなっていっただけで、
僕の受験時代は、「合」「格」という2文字で幕を閉じたのでした。

その時に授かった技術力や経験でカバーは出来るものの、
あの頃の情熱やパワーはやはり青春特有のもので、
今ではなかなか継続して出すことは出来ません。
そういう意味で、「何事に至らなくとも寮があるって良いなぁ。。。」と羨ましく思っておりました。
好きな子がとなりの建物で眠ってるってだけでドキドキしますね。
次の日も、また次の日もがんばれます。
と、こんな事を書いておきながらですが、FCA志望予定のご父兄の皆さま、
男子寮、女子寮の行き来に関しては、管理人さんがかなり厳しいみたいですので、
ご心配はなさらず、送り出してあげて下さいね。
自由な感性を尊重しつつ、守るところは守るという、とても良い学校だと思いました。
そして学生のみんな、また会えること楽しみにしてますね。

そんなFCAの大阪姉妹校・OCAでも今週末17日(日)に同様の講演会があります。
長い高校時代_b0102637_644315.jpg
こちらも入場無料ですが、在学生と進学希望される方が対象の完全予約制となりますので、
参加希望者はhttp://www.oca.ac.jp/creative/event/special2.htmlからご予約下さい。たくさんのご参加、お待ちしております。


さて、ここからは告知のコーナーです。
先ほど言った通り、僕はひたすら悶々としていた高校時代でしたが、
ここを見てくれているみんなはどんな高校時代を送っているでしょうか。
そして、今中学3年生のみんなは、気が早い話ですが来年は高校生ですね。
来年平成25年度の高校1年生用の教科書の表紙を描きました。
長い高校時代_b0102637_347239.jpg
音楽の教科書は全国で3社(つまり3種類)が手掛けており、
そのうちの一冊、教育芸術社が手掛けている高校生の音楽1という教科書になります。
しかし、どの学校がどの教科書になるかは先生の選択次第なので、
僕からは何も言えないのですが、イラストにも表現したように、
古今東西色々なジャンルの音楽を心から楽しめるような
良い意味で教科書の真面目なイメージを覆すような内容になっていることと、
どんなことがあれ、勝手にパンツを脱いでくれる女の子はいないとだけは言っておきますね。
新高校生1年生以外で、一般での入手方法はまた2013年になってから。


そしてなんと、先ほども登場した桂正和先生との対談が、
15日発売の季刊エスvol.39~シゴトバ探訪コーナーにて掲載されます。
長い高校時代_b0102637_422744.jpg
桂先生のスタジオ"K2R"にお邪魔して、数々の名作を手掛けてこられた漫画家として、
また大人気アニメ『タイガー&バニー』のキャラクターデザイナーとして、
そしてまたある時はバットマンをはじめとしたフィギュアマニアとして、
時に可笑しく、時に真面目に、多面的な先生のパーソナリティ溢れる記事となりましたので、
全国大型書店で見かけた際には、ぜひ手に取ってお読み頂ければ幸いです。


次に、最近もたいへんユニークなSFミステリー『トネイロ会の非殺人事件』を
手掛けさせてもらった小川一水さんの2009年発売の短編集、
これまたタイトルの時点で素敵な煙突の上にハイヒールが、
この度、光文社から文庫版となり新発売されました。
長い高校時代_b0102637_4302415.jpg
普通のOLがふとしたことから空を飛ぶ機械を手に入れた表題作や、
猫に搭載された小型カメラで見える世界を描いた"カムキャットアドベンチャー"、
ホワイトクリスマスの日にとても悲しい少年型ロボットに出会った"イブのオープン・カフェ"など、
5話も短編が入って、600円という手に取りやすいお値段なのですが、
やはり特筆すべきはハードカバー版から引き続き
welledesign・坂野公一さんによる美しいデザインが、
非常に肌触りの気持ち良い紙に印刷されておりますので、
小川一水さんのファンの方も、はじめての方もぜひ一度中身も外見も含んだ
作品全体に触れてみて下さい。そして気に入ったら、
もう少し深くて長い「トネイロ会~」の方もどうぞ宜しくお願い致します。
おススメです。


小説といえば、毎月表紙を書かせて頂いている
小学館の文芸誌きらら7月号ももうすぐ20日発売です。
長い高校時代_b0102637_442257.jpg
これは全国書店にて無料で手に入る雑誌で、
ドラマに映画に引っ張りだこの東川篤哉さん『謎解きはディナーのあとで』の
新シリーズも連載中で、そちらに扉絵も描いておりますので(※↓は前回の扉絵です)、
長い高校時代_b0102637_4441081.jpg
夏らしい涼やかなイラストの表紙を見かけたら、
来たる梅雨のお部屋の友として、ぜひお持ち帰り下さい。
発行部数が多くない雑誌ですので、お近くに置いている書店がない方、
また必ず手に入れたい方は、コチラからの定期購読もおススメします。


最後は僕のやっているバンド・セイルズからの告知です。

7月7日(土)に行われる大阪の毎年恒例の名物ライブイベント
"見放題2012"に参加することになりました。

今年で5周年を迎えた"見放題"は、梅田から心斎橋全域のライブハウスへと場所を移し、
入場料だけでライブハウス13会場を行き来し、メジャーからインディーまで
約100組のアーティストをその名の通り見放題できる一大ライブイベントです。

タイムテーブル・詳細も直に発表されますので、
HPをチェックしつつ、七夕の夜を楽しみにしていて頂ければうれしいです。
僕は個人的には井乃頭蓄音団が見たいので、
セイルズと時間が被らないことを祈るばかりです。
当ブログでも詳細が出次第、すぐに告知致します。



そして、その翌月8月には京都でも2本のライブがあります。
1本は先日発売され参加させてもらったコンピレーションアルバム『Flavor cycle』レコ発イベント。
もう1本は我々のファーストミニアルバム『Pink』をレコーディングしてもらった
ハナマウイスタジオの周年イベント。詳細は以下になります。

8/4() 『Flavor compilation vol.1リリースパーティー
【時間】15:30 OPEN / 16:00 START
【会場】京都四条大宮Blue Eyes
【入場料】前売2000円/当日2500円(1ドリンク別)
【出演】NATSUMI/田頭宜和/ハレ/千穂/水瓶/​ノスタル人/
Hello Everybody/プリンシプル/daisy/セイルズ/​ロリポップカメラ(DJ)

8/26( music studio hanamauii presentsLIVE KIRAUEA!! 2012
【時間、入場料】未定(13:00~22:00 charge\2300を予定)
【会場】京都二条GLOWLY
【出演】Lainy J Groove、Nokies!、hotel chloe、neue nahel
STEPAK-TAKRAW、猫殺す、ha-gakure、セイ​ルズ ほか
詳細が決まり次第、随時お知らせ致します。

※両公演とも前売りチケットのご予約はkazekissa@gmail.comまで、
氏名、チケット枚数、会場名を明記の上、メールをお送りください。


尚、コンピレーションアルバム『Flavor cycle』に収録された
セイルズの新曲「かなしい顔」はiTunes Storeでも配信されておりますが、
http://itunes.apple.com/jp/artist/seiruzu/id441680652
全18アーティストで2000円とCDも大変買いやすいお値段ですので、
気になった方は是非ともコチラから通販をご利用ください。
全曲視聴



そしてiTunes Storeでは、おかげさまで現在8万5000部を突破しました
画集『Blue』のiPad版電子書籍がいよいよ発売となりました。
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CDジャケットと前期オリジナル作品が中心のSide-Aと、
​書籍カバーと後期オリジナル作品が中心のSide-Bという2分​冊構成で各1000円です。
大きさの特性上、元の画集ではどうしても見る​ことの出来なかったイラストの細部まで、
拡大して観て頂ける​仕様となっております。ご購入・詳細は以下リンクをご参照くださ​い。
【中村佑介 画集『Blue』 Side-A】 http://itunes.apple.com/jp/app/id489420852
【中村佑介 画集『Blue』 Side-B】 http://itunes.apple.com/jp/app/id489422626

「画集は気になってるけどちょっと高いなぁ」と思われる方や、
すでに画集をお持ちでも汚れや折れなどを気にして中々集中出来ない方、
またあのイラストのあんな部分までこーんなに大きくして凝視したいサディスティックなお方も、
ぜひこの機会にいかがでしょうか。購入して下さった方は、
今後のサイン会でそのiPadを持ってきて下さったら、裏面にサインをさせて頂きます。
しても良いと言って下さる場合のみですが。


ということで、僕の高校時代のように、そして入ってしまったこの梅雨のように、
ジメジメと長かった久々のブログ、最後までお読み頂きどうもありがとうございました。
お礼に2年前のこの時期にきららの表紙に描いたイラストのプレゼントです。
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気持ちだけでも晴れやかにあなたの毎日を過ごせますように。
by kazekissa | 2012-06-13 06:49 | 日記